[2010.12.02-03 見学] 廣瀬 雄一 氏 感想文

先日は、2日間にわたり密着させて頂き本当にありがとうございました。
私自身、往診も利用したことがないし建築畑の人間なので、在宅医療については知識が浅い状態での訪問となりましたが、中野先生のキュア・ケアバランス社会の考え方は非常に参考になりました。
訪問診療をなさっている観点から将来の家はどうあると良いか、という質問をした際に将来的な住宅改修にも備えられている家という回答を頂きました。
私は、バリアフリー住宅一辺倒には反対です。
住宅の中にある段差にはそれぞれ意味があり、それは建物の構造的の話なのですが、高齢者の在宅での生活を考えると2mmとか3mmとか中途半端な段差がいけない訳で、しっかり認識できる高さの段差はむしろあった方が良いのです。
これは生活リハビリの観点からも言えることです。
とはいえ、高齢者向けの住宅はバリアフリー or not と単純に考えられるものでもありません。オールバリアフリーはある種キュアな考え方ですが、訪問診療を利用しながら在宅で療養されている方々を見ると、ほとんどバリアフリー化されていないところにお住まいで、工夫しながら生活をしている。
その工夫の支援をすることが、住まいにおけるケア思考で私自身これから取り組んでいくべき課題だと再認識できました。
それは、中野先生から言われたことでもある将来的な改修にも対応できる柔軟性を家に持たせることです。
お話を聞いたり、訪問診療に同行させて頂くまでは、在宅医療用の住宅を作らねば、という思いでおりましたが、在宅医療用というよりむしろ在宅で死ぬまで充実した生活が送られる住まい・まちが必要なんだと感じることができました。
分野は違えど、死ぬときまで充実した生活が送られる社会を形成していくという点では一致している方向性です。今回学んだことを自分の専門でも生かしていきます。
まったくの専門外の拙い質問にも答えて頂き本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。