[2010.10.08 見学] 屋久 直紀 氏 感想文

中野在宅医療クリニックを見学しての感想

                        崇城大学 薬学部5年 屋久直紀

在宅に同行させていただき最も強く感じたことは、在宅の患者さんと病院の患者さんの表情の違いでした。在宅の患者さんはとてもリラックスされた表情をされていて、癌の末期の患者さんも見た目には一切分からないほど夫婦で笑顔で話をされていたのが非常に印象的でした。これからの日本は高齢化社会がさらに進み、在宅医療が必要不可欠になるなかで、薬剤師も積極的に在宅に参加し患者さんの薬の管理や精神的なケアをしていかなければいけないと強く感じました。

今回の薬局実習まで、在宅医療について恥ずかしながらほとんど何も知りませんでした。今回の実習で様々なことを体験し、学んでいくにつれて在宅についてもっと勉強していこうと思いました。これからの医療は使用する薬が減っていく中で薬剤師としてチーム医療の中でどのように職能を発揮していくかを真剣に考えなければならないと感じました。 

今回、病院での患者さんの引継ぎのカンファに参加させていただき、患者さんが残りの人生をどのように生きていくかのお手伝いをすることが、大切だと感じました。病気を治していく治療ももちろん大切ですが、そこに患者さんの意思があれば別ですが、医療従事者の一方的な見解によって病院で治療していくことは患者さんのQOLを考えると問題もあると思いました。これからの医療はケアとキュアの両輪で進んでいかなければならないと強く感じました。私は、大学で学んでいる時は完全に病気の治療だけを見たキュア的な考え方しか持っていませんでした。今回中野先生に同行させていただき、患者さんとのコミュニケーションを大切にされている先生の姿を拝見し、患者さんにいろいろな選択肢を提示し、丁寧に説明し、患者さんが選択しているのを間近で見て、改めて医療の中心は患者さんであることを考えさせられました。

残りの大学生活の中でどのような薬剤師を目指していくか真剣に考え、卒業後に世の中で役に立つ医療人になりたいと思います。

この度はお忙しい中、同行させていただき本当にありがとうございました。大学の中では絶対に学ぶことの出来ないことをたくさん学ぶことができ、とても貴重な体験になりました。この体験を今後に活かしていこうと思います。