[2010.07.05 見学] 前村 由佳 氏 感想文

中野 一司先生、ナカノ在宅医療クリニックのスタッフの皆様へ

福岡大学 薬学部
前村 由佳

私は、一番初めの患者さんのお宅に伺ったとき、とても強い衝撃を受けた。
現在、薬局で実習をしていて、重症患者に触れることがなく、また、薬局で同行する在宅でも完全に元気である!というわけではないが、口から食べることができ、私的感想ではあるが、車椅子で生活しながらもどこかしら明るさが見えたためであるのか、こういった患者さん(ALSであった)を目の当たりにすると、なんとも言葉が出なかった。
同行後、中野先生に色々な話を伺い、その患者さんをかわいそう、生きていて幸せであるのかと思ってしまった自分が情けないと思った。
“キュア”・“ケア”と先生がおっしゃられた。
私は“キュア”という言葉は今まで耳にした事がなかったが、自分の考えが完全に“キュア”に偏ってしまっている事を感じさせられた。
実は、私も、高齢化社会なんて医療費がかさむだけで、そんなに医療を発展させても無駄だと思っていた一人であるのだが、先生がおっしゃっていた「今まで自分たちを育ててくれた高齢者の方の残りの人生を有意義にさせたい」という思いが“ケア”であり、全ての“ケア”の考えは納得させられるものであった。
そして、今回、在宅に同行させてもらい、自分のおかれている状況のありがたさを痛感させられた。
また、薬局で実習をしていても感じることであるが、人と人とのコミュニケーション、また双方間にある“信頼”は何をする上でも大切だと思った。
私が無事大学を卒業し、薬剤師免許を取ったあと、自分が出来る事は何であろうか。今一度じっくり悩む時期だと思った。
今日は、お忙しい中、有意義な時間を頂き、ありがとうございました。