2009.1.13  見学】 中村 敬和 氏  感想文 

一日目の講義・会食と二日目の見学で、大変お世話になり、ありがとうございました。
多くの情報と体験をさせていただき、とても勉強になりました。目から鱗の2日間でした。
ミーティングや訪問診療のご様子は皆様が書いていらっしゃいますので、中野先生との話しと見学において、小職が感じたことを4点にまとめさせていただきました。

@    エンパワーメント
先生の人間性が礎であると感じました。とても深く広いことをやっていらっしゃるにも関わらず、高ぶらず他者と同じ目線で接していらっしゃいました。患者・家族の皆様も、スタッフも、とても大切にされているなと感じました。そして表面だけの多職種連携でなく、かなりの権限委譲と勇気付けをされていらっしゃいます。これぞまさにエンパワーメントであると思います。

A    コミュニケーション
在医総管で管理と言うと客観的な医学的な管理のみと思いがちですが、家族を含めた主観的なケアの部分を含めて管理されていらっしゃいました。死というものを日常のことと扱ってご家族ともコミュニケーションされているので、お伺いする家々の方々もとても自然に笑顔でいらっしゃいました。また、かなり苦情の多い患者さまにも感情的にならず、冷静に論理的かつ優しく接し、何よりスタッフを守ろうという姿勢に共感を持ちました。

B    システム化
「院内の役割分担や管理において、在宅医療をシステムとして考える。」「暗黙知を形式知化する。」「ITを導入し、フル活用する。仕事の半分は、メールの管理。」なんと、朝のミーティング参加の十数名の方が全員PCに向かっていらっしゃる図は、壮観でした。我々企業人以上に、システム化ということを意識されていらっしゃいました。

C    予防医療
「在宅医療は、予防医療である。日常の管理や家族の教育をきちんとしていれば、急性増悪や急変を予防できる。重い患者さんでも、夜間などの緊急往診はそんなに多くない。」私自身、疾病予防や疾病管理に関わってまいりましたが、在宅医療=予防医療という発想にまで到りませんでした。先生が余裕を持って、仕事を楽しんでいらっしゃる所以が少し理解できました。

我田引水で恐縮ですが、行政、保険者、医療機関、生活者(患者)がそれぞれ自立することが日本の医療をより良くしていくことであり、この時にキーとなるのは情報処理とコミュニケーションであると、自分はここ数年の間、主張しておりましたが、まさに先生はこれを体現していると感じました。
残念ながら美味しいお魚のお店はお休みでしたので、次回を楽しみにしております(^_^)v。本当にありがとうございました。