2007.12.01見学】  正木久美 氏  感想文

中野先生

こんにちは。その後いかがお過ごしでしょうか?お礼と、御挨拶のメールが大変遅くなり失礼いたしました。

訪問させていただいた当日、先生がお疲れにもかかわらず、スライドを使って分かりやすく今の日本の医療の現状や需要について
講義をしていただいたので在宅医療に特化して地域とのネットワークを作っているクリニックの重要性を理解することができました。
また、ご自身の哲学や在宅医療にかける思いを織り交ぜながらのおよそ3時間にもおよぶ講義で、いかに先生ご自身がこの在宅
医療、地域とのネットワークの構築に情熱をささげていらっしゃるかがわかりました。
実際翌日は一日先生の「往診」に同行させていただきました。
今まで”往診”と聞くと、私は医者が患者の側に出向いて診察を行うというスタイルなのかと漠然と考えていました。
しかし、実はむしろ日々の患者さんの状態を定期的に見ることに意義があり、その為に何も変わりない患者さんの所へも必ず2週間に
一度は訪問しているとのことでした。自分の慣れ親しんだ地元と自分の家でできるだけ普段の生活を送りたいと願う患者さんやその家
族の方々にとって、このように地域で見守り、ケアする体制があるということはなんと心強いことでしょう。
私はクリニックにうかがう前に、下甑島の診療所で一か月離島医療を経験させていただきました。その時、診療所に入院されている患
者様は家に帰りたい方もいれば、家に帰らず診療所に当分居たいとおっしゃる方もいました。
私は、診療所は病院というよりはむしろ自宅と地域の延長なのではないかと感じました。
このような島の診療所の役割は独特のものがあるとして、いざという時のサポート体制が整えられており、普段の生活の支援が得られ
安心して生活できるのであれば、やはり病院にいたいという方はいないのではないかと思いました。
それまで家族に負担がかかるイメージのあった在宅医療に、中野クリニックのようなクリニックが介入して、これからの高齢化社会を地域
で支える支援のネットワークを広げていくことは今後の医療にとってますます必要となってくるのだと思いました。
実際社会のニーズに先駆けて、このような具体的なシステムを構築され、ご自身の理念を実現された先生と一日でもご一緒でき、貴重な
体験をさせていただきました。
ありがとうございました。

浦添総合病院2年目研修医 正木久美