2007.04.17見学】 田中俊一 氏 感想文


中野一司 先生
ナカノ在宅医療クリニックスタッフ一同 様

先日は大変お世話になりました。たった一日間という短い間でしたが、在宅医療に触れいろいろなことを学ばせていただきました。
 私は医師として働き出してからまだ一年間しか経っておりませんが、多くの患者さまの最期に立ち会いました。心配停止状態で救急センターに運ばれてきた患者さまから、自分が主治医として関わり、治療方針に悩みながら加療していった患者さままでさまざまな方々でした。特に後者に関しては‘本当に満足のいく最期を迎えさせてあげられたのか’とお見送りをするたびに思い悩むことも多かったです。今回、在宅医療を見学させていただいて最も印象深かったのは患者さまの表情でした。自分の住み慣れた場所で、夫婦あるいは家族とともにゆっくりと自分の病気と向き合っている、そんな感じでした。確かに、独居でヘルパー等も利用している方もいらっしゃいましたが、みなさんニコニコされていたように思います。この患者様の表情も、クリニックの先生及びスタッフの方々が何かあったときにすぐに後ろに控えていてくれるという安心感からきているのでしょう。
人間には最期は必ず訪れるもので、場所はどこであれ満足のいく最期を迎えることは人間みな理想としているところだと思います。我々医療サイドにとってその最期をどのように迎えるかの選択肢をいかに多く患者に与えてあげられるかということは重要なことです。その意味でも在宅医療は絶対的に必要な存在であると考えます。今回の実習で在宅医療に触れ、《在宅医療》という選択肢が増えたことは今後の自分にとって大きな一歩でした。
この度は大変お忙しい中、見学を快諾いただき誠にありがとうございました。まだまだ学ぶことが多く医師として駆け出したばかりですが、今後とも何卒よろしくご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

鹿児島市立病院臨床研修医
田中俊一