2006.06.06見学】 小田 耕平氏 感想文

中野先生、ナカノ在宅医療クリニックのスタッフの皆様へ

 先日は大変お世話になりました。わずか1日でしたが密度の濃い時間を過ごす事が出来たと思います。一昨年から始まった新臨床研修制度の「地域」研修の中で、中野先生のご厚意によりナカノ在宅医療クリニックで研修をさせて頂く機会を得ることが出来ました。

 恥ずかしながら今まで在宅診療というと「1人の医師が悲壮な覚悟を背負い自分の生活全てを犠牲にして働く」という姿を想像していました。ところが、今回ナカノ先生のもとで研修させて頂き、非常に情報化・組織化され、さまざまなスタッフとの連携のもと「抱え込まないチーム医療」を理念の1つに活動をされている姿を拝見していままでの自分の古い在宅診療のイメージが打ち砕かれました。

 朝、クリニックでのスタッフの方々との熱いディスカッションから始まり、ターミナルケアにおける診療方針についてのディスカッション、患者さんのお宅への移動の合間にもディスカッションとみんなで情報を共有しあい、各々が信念をもってやっているからこそのディスカッションの数々であり、みんなでより質の高い医療を提供しようという意思の表れなのだと思いました。

 また、患者さんのお宅での患者さんご本人、ご家族の方々の表情から病院では見ることが出来ない穏やかな雰囲気を感じたことに非常に驚かされました。もちろんこれもただ在宅だからではなく、先生やスタッフの方々とご本人・ご家族との何回にもわたる話し合いや訪問から生まれる信頼関係があってのことだと思います。

 わずか1日だけでしたが、この1年間の病院という臨床の現場での研修で知らず知らずのうちに身に染み付いていた数々の先入観、固定概念がいい意味で打ち砕かれた感じがしました。今後、自分が働いていく上で今日感じたことを忘れないように、また実際に実践しよりよい医療が提供できるようにがんばっていきたいと思います。

 最後に当日見学を許可していただいた患者さんとご家族の方、及びこのような機会を与えて下さった中野先生とスタッフの皆様に感謝致します。

本当にありがとうございました。