中野先生


 鹿児島大学医学部6年の佐々木絵美です。6月24-26日の3日間そちらでお世話になりました。今回は二回目の実習ということで、実習をする前から今回の実習では、二年前の実習とはまた違ったところを感じ取れたらいいなと思っていました。
 前回は病院からの往診に同行したという経験はあったものの在宅医療クリニックというステーションからの在宅医療の提供というものには足を踏み入れたことがありませんでした。実際に同行させていただいて何もかもが新鮮で在宅医療の役割の大きさにただただ感激するばかりでした。またいかに効率よく作業を行うかということでコンピューターを最大限活用したシステムを構築していたり、仕事をうまく分業化して先生、看護師さん、事務員さんそれぞれが力を発揮しているとことも魅力の一つだったような気がします。
 今回の実習では、1日目と2日目に先生と一緒に訪問診療に同行させていただきました。そのなかでも、前回は経験できなかったお悔み訪問に同行させていただいたことは私にとってとても貴重な経験となりました。どんなに年をとっても、母は母で、子は子だという、お互いにかけがえのない存在であることを理解しているがゆえに失ったときの喪失感というものは大きいということがよくわかりました。周りがどんなに「よく頑張ったと思うよ」と声をかけても本人が気持ちの整理をつけるには時間がかかることもあることがわかり、人の死に対する受け止め方はさまざまであるなと思いました。
 二日目の夕方のレクチャーでは、先生から貴重なお話がきけたと思います。私は今回の実習で先生のお話を聞く前は、在宅医療は温かい家族のサポートがまず前提にありそれに在宅医療スタッフ、ケアマネージャー、介護福祉士等の熱心なサポートがあるからこそ成り立つのだと思っておりました。なので、逆に言えば家族がそっぽを向いてしまったり、働き盛りの人たちが介護にあたらなければならない場合は在宅医療は厳しいものがあるのでがないかと思っていました。しかし、先生は介護は地域でサポートしていくのが基本だという考えを明らかにしてくださり、私の疑問がとけたような気がします。私もこれから社会に出て行く人間であり、今両親が倒れてしまったら、仕事も介護も何もかにもできるだろうかと真剣に考えまし
たが、正直難しいような気がします。しかし、介護は地域でサポートしていくという考えが基本にあれば全てを自分で抱え込まずに頑張れるような気がします。
 最後になりました、お世話になりました先生をはじめ、看護師さん事務の方々に心からお礼申し上げます。本当に良い経験になりました。ありがとうございます。

 
                                                                                          鹿児島大学医学部6年 佐々木 絵美