医療法人ナカノ会 ナカノ在宅医療クリニックでの実習の感想

鹿児島大学医学部医学科6年 迫野卓士

ナカノ在宅医療クリニックで、訪問診療と訪問看護を実習させていただき、とても勉強になりました。実習以外にも、特にナカノで実践されている、会社としてのシステムに重要性重要性を感じました。ITを用いて他職種との連携をすることで、
・パソコンで患者情報を共有することで、申し送りがスムーズになる。
・ドライバーさんの運転で安全に患者さん宅に到着できる。
・効率よく、また時間通りに訪問できる。
・医師が医師の仕事に集中できる。
・ドライバーさんや事務さんなど、雇用対策として社会に貢献している。
・正規社員として雇うことで、社員のモチベーションが上がる。
ことが感じられました。
 3日間で全てを見ることがでなかったと思いますが、ある患者さんを訪問診療した際に、薬の申し送りがうまくいかなかったことについて、職員を責めるのではなく、今回の出来事をしっかりとフィードバックして次につなげることが大切だと仰っていたことがとても印象的でした。この考え方は、医療ミスをした際に、ミスした人を見つけて非難したりするのではなく、なぜミスが起こってしまったのか、ミスを起こしてしまうかもしれない環境下に置かれていたからミスしてしまったのではないかというように応用できるというお話も聞かせていただき、とても勉強になりました。
 先生方や職員の方々は、白衣でなく、ポロシャツやジャージ姿で、病院とは異なり、より身近な存在として患者さんと接しておられました。中野先生曰く、白衣は権威の象徴らしく、患者さんを委縮させてしまうことにもなりかねないということでした。このような配慮も在宅ならではのことで、とても新鮮でした。
 中野先生のレクチャーでは、キュアとケアの違いが特に印象的でした。病気ではなく障害としてとらえることや、キュアで治らないところをケアすることを学びました。訪問診療中にも、逆に何もしないという医療の方法もあるという話もとても勉強になりました。余談かもしれないのですが、政治についてもいろいろな話が聞けて、とても楽しかったです。
 自分は枕崎市出身なので、ナカノクリニックのようなスタイルはとても勉強になり、地方にこそ、このシステムを導入すべきだと感じました。そして、自分も将来は中野先生のように地域医療に貢献したいと思いました。
 お忙しい中、時間を取ってくださり、指導してくださった中野先生、職員の方々に、深く感謝したいと思います。ありがとうございました。