実習報告書

医学部医学科3年 西松香織

実習場所:ナカノ在宅医療クリニック 中野一司先生

実習日:200933日(火)、35日(木)、36日(金)

実習の感想

これまで離島医療での往診は同行したことがあるが、ほとんどが高齢者の観察目的か脳梗塞で寝たきりの患者さんのところであった。今回は都市の在宅医療の研修ということで、年齢層も比較的若年の患者さんも含まれ、疾患も末期癌、神経難病、認知症、脳梗塞の後遺症と様々であり、離島医療の往診とは異なる部分も体験することができた。

訪問した場所は、自分が日々暮らす生活圏内であり、病気の患者さんたちが自分の身の回りで暮らしていることを全く知らなかったことに驚いた。病気や障害を持つ人と共生するということは、患者さんは病院だけではなく自分の町、自分の周囲にも住んでいることを想像することから始まるのではないかと感じた。

 また訪問看護に同行したことは大変有意義な体験となった。看護師の仕事に密着する機会がなかったため、看護が患者さんの生活に欠かせないものであることを再認識できた。中でも印象深かったのが、排便の介助である。患者さんが過ごしやすいよう、看護師さんが明るくさわやかに処置を行う姿を見て、職業人としての意識の高さに頭が下がる思いがした。

 患者さんの病気が様々であることを考えると、在宅医療では医師としての技術や経験が深く幅広く必要とされることを痛感した。何より、在宅医療とは患者さんが幸せに穏やかに暮らす一つの良い方法であることを実感した3日間であった。

学会後のお忙しい時期に受け入れをご承諾いただいた中野先生、また多くのことを教えていただいた看護師の皆様に心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。