ナカノ在宅医療クリニック実習の感想

研修日:2009529日(金)
浦添総合病院研修医 本成 永

 今回、地域医療の研修として、1日だけではありましたが、ナカノ在宅医療クリニックで研修させていただきました。今回の研修では、何より在宅医療がどのようなものかということを知ることができました。以前より、地域医療、特に離島医療に興味があり、顔の見える医療、普段のその人を知っているからこそできる医療をしてみたいという思いはありました。そういう医療は、離島や集落のような地域社会の上に成り立つものと思っていましたので、在宅医療のような診療所との提携によって行うという形態に驚きました。私が考えていたものより、在宅医療は幅広い活動ができることを知りました。私の求めている医療は、ここに近いのかなという印象を受けました。

 午後の中野先生からの講義では、「病気ではなく障害(=治すものではなく付き合っていくもの)」「苦しむのは客観的現状と希望とのgapがあるため。cureも行うが、careによってそのgapを埋めることも必要」というところに、とても感銘を受けました。特にcareについての考え方はとても印象深かったです。今はcureについて学んで行くことの方が多いとは思いますが、careについても考えていきたいと思いました。

 実際の訪問診療についても、初めての体験ばかりでとても勉強になりました。1日の訪問診療の件数が多いことにも驚きました。ITを駆使しているところや、運転手を採用しているところなど、いろいろなシステムが充実しているところも驚きました。実際の診療でも、やはりcareに力を入れていると感じました。患者を診るのではなく、家族も含めてサポートする体制を一緒に作っていく、いろいろな施設やサービスとも連携しながら環境整備をしていくなど、初めて実際にみることができ、とても興味深かったです。

 病院との連携も大切であることも知りました。今回、少しではありますが、在宅医療がどのようなものかということを知ることができたので、今後の診療の中で役立てて行きたいと思います。